動物看護士の仕事
動物看護士の仕事は、非常に範囲が広くて多様なものになっています。
主な業務内容は次のとおりです。
外来診察の補助、入院患者の観察とケア、手術室での補助、薬品の管理、カルテの記入、薬品や備品の仕入れ、会計業務、証明書などの書類作成、受付窓口事務、飼い主へのワクチンなどの案内状の郵送、診療費の設定・決算・申告、院内外の清掃、タオルなどの洗濯、患者の尿・便などの検査業務、新人スタッフの教育など。
このように動物看護士の仕事は多岐にわたっているため、動物病院の事務的知識や各種動物に関する知識、診療、検査、手術に対する専門知識やノウハウなどを習得しておかなければなりません。
人間の看護士と同様に、非常に専門性の高いものなのですが、日本では現在のところ、動物看護士に関する公的な資格は存在しないのが現状です。
しかし、専門学校などは多数存在し、関連団体などが主催する動物看護士の認定試験を受験するなどして、技能を証明するようになっています。
動物病院側も、これらの資格を採用基準のひとつとするところが多いようです。
動物看護士の仕事は、日本ではまだ確立されたものであるとはいえず、立場としては不安定なものとなっています。同じ病院で働く獣医師は国家資格によってその身分と職域が保証されていますが、看護士の場合は、任される仕事内容もまちまちであったり、病院によっては全くの雑用しか与えられない場合もあります。
しかし、ペットブームの成熟期の中で、これまで単なる病気を治療する場所でしかなかった動物病院が、さまざまなサービスやきめ細かいケアを要求されるようになってきており、ペットのケアや食事のアドバイスといった診療以外の部分で、動物看護士の存在が、非常に重要視されるようにもなってきています。それにともなって、動物看護士の社会的立場も徐々に確立していくとも考えられます。